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2013年12月13日

酸蝕歯とはなんですか?

カラダによいといわれている黒酢、フルーツ、野菜ジュース、クエン酸、炭酸飲料、ワインなどのお酒、熱中症予防に飲むスポーツ飲料、疲労回復や美容に良いと言われる栄養ドリンクやビタミンC。これらほとんどが歯を溶かすのに充分な強い酸性を示します。

実は私たちがおいしいと感じるものはほとんど酸性なのです。中性は味がなく、アルカリ性は苦いのです。東京医科歯科大学の北迫勇一先生らの研究によると市販の飲料の73%が歯を溶かす以上の酸性を示したそうです。

酸蝕歯とは、酸性の飲食物、クエン酸入り、ビタミンCなどの顆粒や液体のサプリメント、酸性の歯磨きやうがい薬など酸性常用することよって溶けてしまった歯の状態です。歯を強くかみ合せることや歯ブラシによってすり減った歯の状態と酸蝕を会わせてTooth Wearと言います。また、逆流性食道炎のある方、しばしば嘔吐する方などは胃酸によっても酸蝕歯になります。小児や若者の場合、炭酸飲料、果汁、スポーツドリンクによるムシ歯と酸蝕の複合型も多く見られます。

カラダによいとされているものが、実は歯には悪い。きっとびっくりしてしまった方も多いのではないでしょうか?実は最近の健康や美容志向の高まりとともに、歯をしっかりみがいているのに、歯がしみると訴える方が急増しております。そのような方は酸蝕歯の可能性を疑ってみてください。

>>>酸蝕歯になってしまったら~酸蝕歯の治療法

酸蝕歯になりやすい人って?

かつて、酸蝕歯はメッキ工場や酸を扱う工場などで蒸発した酸を吸った労働者の歯に多く見られました。その後、労務環境の改善や産業歯科医らの対策により、現在では労災としての酸蝕歯は激減しました。

しかし近年、酢を飲む習慣、クエン酸やオレンジジュースを水分とエネルギー補給に用いるスポーツ愛好家の増加、健康や美容に感心の強い方に多いフルーツの摂り過ぎ、炭酸飲料の売り上げの増加、夏の猛暑のため熱中症予防のためにスポーツドリンクを水代わりにする人の増加、ワインや炭酸や果汁で割った酒の消費の増加、スリムな体型が美しいと考える風潮による摂食障害の増加などにより、酸蝕歯がクローズアップされております。

酸蝕歯になりやすい人って?<酸蝕歯になりやすい方>
●炭酸飲料をよく飲む
●スポーツドリンクを水分補給のためによく飲む
●フルーツや野菜ジュースをよく飲む
●梅干しや酢漬けの食品をとても良く食べる
●レモンや柑橘類を水に溶かして水分補給としてよく飲む
●マヨネーズ、ドレッシング等をよく使う
●柑橘類、キューイなどフルーツをよく食べる
●健康のために黒酢の入った食品や飲料を定期的に摂取する
●クエン酸入りパウダーを水に溶かして習慣的に飲む
●美容のためや健康のために液体、粉状、顆粒状のサプリメントを定期的に摂取している
●洗口液で寝る前にうがいをしてから寝る
●ワイン、ビール、チューハイなどお酒をほとんど毎日、特に寝る前に飲む
●つわりや摂食障害などで嘔吐を繰り返す
●ゲップなどで口の中に胃酸の逆流が良く起きる
●フルーツやお酒を飲食した直後に、歯ブラシでゴシゴシ磨いている

<口の中に入ると歯が溶ける物>
今までに挙げた以外に、市販の一部の洗口剤や歯磨きの中でも強い酸性を示す製品があります。また、患者さんが就寝前に飲んでいたハーブティーにも強い酸性のものがありました。

歯磨きが酸性である場合、歯が溶けると同時に歯ブラシで磨くために歯質が特にダメージを受けます。就寝中は唾液があまり出ないために寝る前に飲む物が酸性ですと特に良くありません。口に入れる物は歯に良いかどうかも考慮して、心配でしたらペーハーメーターで簡単に測定できますので、かかりつけの歯科医院で相談されるか、測定してもらいましょう

酸蝕歯になるとどうなる?

酸蝕歯の主な症状をあげてみます。もしかすると、むし歯かと思っていたら、実は酸蝕歯だったなんてことも十分にありえます。ぜひ一度チェックしてみましょう。

<これらの症状がある方は要注意!>
●歯がしみる
●歯の噛み合わせの山の部分が平になっている。ヘコむ
●前歯の先端が欠ける
●歯の厚みが薄くなる
●歯が細くなる
●つめものと歯の間に隙間ができてくる
●歯のつやがなくなる
●歯の色が黄色くなる
●つめものが変色したり、修復物との境が茶色や黒くなったりする
●いくら歯ブラシをしてもむし歯ができる
※あてはまる数が多いほど酸蝕歯の可能性が高くなります。

酸蝕歯症例
嘔吐を繰り返した若い女性
(上の前歯は治療してあった)
酸蝕歯症例
同じ女性の下の歯
酸蝕歯症例
つわりが強く、嘔吐を繰り返し、柑橘類をとても多く食べた方(上の歯)
酸蝕歯症例
クエン酸入りアミノ酸パウダーを水に溶かして飲んでいた消防士さん
酸蝕歯症例
黒酢入りの飲み物を常飲していた方
酸蝕歯症例
酸蝕の始まり(歯のかみ合わせが凹んでくる)
 

酸蝕歯の治療法

酸蝕歯予防が第一であるため、原因と思われる物を口に入れる習慣を止めるか減らすべきです。酸が原因の場合は原因疾患の治療と胃酸が口に出てきた場合はまずは水でうがいをして、さらに牛乳などを口にしばらく含むと良いでしょう。MIペーストがあれば歯の周りに塗っておくのも良い方法です。

それでは減ってしまったり、薄くなった歯はどう治療するのでしょうか?それは歯を削らずに治せるコンポジットレジンによる接着修復が最も良い方法です。

溶けたりへったりした歯をさらに削ることはしないで、歯科用高性能接着剤でコンポジットレジンを用いて修復すると、最小限の回数で審美性と機能を回復できます。

酸蝕歯症例
上の嘔吐を繰り返した女性の下の歯はコンポジットレジンを用いて咬み合わせも高くしました。


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